雨の日でもホタルは飛んだり光ることはできるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
もし雨の日でもみることが出来たなら、雨水に濡れた景色の中に浮かぶ鮮やかな光はとても美しい光景になるでしょう。
梅雨が近付く頃の短い限られた期間に夜の暗闇を舞うホタルは、「こっちの水は甘いぞ」と歌詞にもあるように水とは切っても切れない関係です。
今回は、ホタルは雨の日でもみれるの?濡れたら光らないし飛ばない?様々な疑問について解説していきます。
ホタルは雨の日でもみれるの?
ホタルを見ることのできる時期は5月~6月ですが、6月に入ると雨の日も多くなります。
そもそもホタルが光るのは、オスがメスに対して求愛行動をしているためなんです。
それでは、もし雨が降ってもホタルを見ることは出来るのでしょうか?
実は雨が降るとホタルたちは、求愛行動よりも雨に濡れないよう自分の身を守ることを優先させ、葉っぱの裏側や岩のすき間などに隠れてしまいます。
ですから雨の日にはホタルはほとんど飛ばないし、光ることも少ないでしょう。
降ったりやんだりの小雨程度であれば、一部の元気な求愛に頑張るホタルは光って飛ぶかもしれませんが、たくさんのホタルが舞飛ぶ幻想的な風景は見られません。
暗闇に漂い光るホタル観賞を計画するなら天気予報を確認し、雨が降るような場合にはあきらめた方ががよさそうです。
ホタルのオスとメスの違いとは
ホタルは「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」が主な種類で、ゲンジの方がヘイケよりも体が大きいです。
オスとメスの見分け方も大きさの違いで判断できるのですが、ホタルの場合オスよりメスのほうが大きいというのがポイントです!
また、腹側を見た時にメスは卵を持っていることでも判別できます。
そしてホタルの最大の特徴である発光器の機能にもオスとメスで違いがあります。
まずオスには大きな発光器が2つあるため光が大きく、水辺を飛び回り求愛するので、遠くからでも見つけることができます。
一方メスは発光器が1つで、葉に止まった状態でオスの発光に対して返事をするように光らせます。
一定の規則に従ってリズミカルに点滅させるのがオスで、不規則に点滅させるのがメスというわけです。
また、種類によって点滅の仕方が異なるため、仲間や求婚相手をホタル自身も自分と同じ種類と判断し、見つけることができていると言われています。
ホタルの生息地と寿命は?飼ってもいいの?
生息地は?
ホタルの生息地は里山などの川で、綺麗な環境です。
種類によっても多少違いがあって、体が大きいゲンジボタルは流れのあるきれいな川に、ヘイケボタルは水田や小川などに生息しています。
明るい昼間は草むらに隠れていて、夜露を補給しながら過ごします。
そしてメスは清流の水辺にある草の根元や苔の間に卵を生みます。
その数は約600個!真夜中から明け方まで光りながら産み付けます。
その後20日~1ヶ月で卵から幼虫がかえり、川の中に落ちて翌年の春まで川の中で成長していきます。
流れがあまり強くないキレイな水中で、いつも石の下に隠れながらカワニナという貝を食べて成長します。
春になったら雨の日を選んで、幼虫は光りながら陸へ上がります。
そして土に潜って40日ぐらいでサナギになり、10日ほどそのまま過ごします。その後羽化して成虫になると、梅雨の雨で土が柔らかくなった日に地上へ出てきます。
寿命は?
羽化した後のホタルの寿命は約2週間と言われています。
その間にも外敵などに狙われることも多く、実際には2~3日くらいしか生きることができません。
飼っても大丈夫?
生育を十分に理解している場合なら、卵からの人工的な飼育が可能ですが、一般にはかなり困難です。
ホタルの生態を考えると清浄な環境が必要なため、もし捕まえても育てることは極めて困難です。
ましてや、成虫のホタルになったものを飼育すると卵の産み付けが正常に行われないため、生息地のホタルの減少につながります。
ただでさえ寿命の短いホタルたちです。むやみに捕ってしまったりせず、自然の中で静かに観賞することに留めるようにしたいものです。
まとめ
ホタルの住みやすい場所というのは、清流と土や草がある環境です。
また、夜でも明るい川や汚れた空気もホタルの生育を邪魔してしまいます。それらを考えると都会の中ではなかなか難しいですね。
なかなか身近でホタルを見ることが出来なくなってしまった現代ですが、ホタルを見られる環境づくりに取り組んでいる地域も増えてきています。
あなたもホタルの幻想的な光りを見て、自然の大切さを考える機会にしてみてください。そしてぜひ雨の降らない日に観賞してくださいね!
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