人や動物に寄生するマダニに刺されたときの症状と感染症などの潜伏期間、対処法を詳しくお届けします。
マダニに刺されてもあわてない、安全な応急処置の方法や効果的な塗り薬の情報もあわせてご紹介します。
マダニはどんなところにいる?
マダニとは?
マダニとは、人や動物に寄生して吸血をする大型ダニで、主にハウスダストなどをエサとする一般的な家ダニとは全く違う吸血虫です。
人や動物の皮膚を噛み切って体内に頭をうずめ、数日間かけて寄生吸血するのが特徴です。
大きさは普段3mmほどですが、血を吸ったあとは1cm~1.5cmにまで肥大します。
生息地と活動時期
マダニは主に山の中や笹の茂み・公園の草むらなどに生息し、葉っぱの先などでひっそりと待機し、人や動物がその葉に触れた瞬間そちらへくっつき移動します。
春から秋にかけて特に活発に活動しますが、種類によっては季節に関係なく年中獲物を待ち構えているものもあり非常に厄介です。
マダニに刺された症状と感染症の潜伏期間
刺されてすぐの症状
マダニは皮膚に頭を刺したまま1週間から10日間、ゆっくりと時間をかけ吸血します。
小さなかさぶたのようなその姿と、マダニの唾液内にある麻酔成分で、自覚症状はほとんどありません。
最初は刺されたことに気づかない人がほとんどですが、日に日にマダニの体が大きくなることで自覚する人が多く見られます。
感染症の種類と潜伏期間
マダニは寄生したあと、おなかいっぱいになるまで吸血をすると勝手に離れていき休眠期間を経て、また違う人や動物に寄生します。
その期間の長さと寄生を繰り返す生態から「感染症の運び屋」とも呼ばれ、様々な病原菌を媒介します。
現在の日本に多く、特に気を付けたい危険な感染症を下記にまとめました。
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
◎潜伏期間
6日~14日
◎症状
発熱・頭痛・嘔吐・下痢・腹痛・意識障害・下血など
現在は有効なワクチンや薬剤が確立されておらず、致死率は6%~30%と高く非常に危険な感染症です。
・日本紅斑熱・ツツガムシ病
◎潜伏期間
2日~8日
◎症状
発熱(39度~40度以上)・発疹・頭痛・紅斑・倦怠感
こちらもワクチンはありませんが、早めの抗生剤による治療を行うことで軽症で済む場合が多いです。
・ライム病
◎潜伏期間
10日~14日
◎症状
発熱・頭痛・関節痛・紅斑・神経麻痺
早期治療が必須の感染症で、長く放置するとその部分の神経に麻痺が生じたりと深刻な症状になる場合がある感染症です。
刺された時の対処法・痛みの応急処置方法
自分でマダニを取らない
小さなマダニが皮膚に刺さっているのを見つけたら、絶対に自分で取らないよう注意してください。
マダニは鋭い歯を持ち、ガッシリと皮膚内にそれを刺し吸血しています。
自己流で引き抜くと、体内に歯や頭などマダニの一部分が残ってしまい、感染症のリスクが高まり危険です。
マダニがついたまま受診する
病院では特殊な医療用ピンセットなどで、安全にマダニを取り除いてくれます。
マダニの種類や状態を見てもらうためにも、必ずマダニがついたまま受診することをおすすめします。
すぐに受診できない場合と痛みの応急処置
ワセリンをマダニと患部に塗布することで、マダニが苦しくなり皮膚からでてくることがあります。
このタイミングで患部を消毒し冷やすと、一時的ですが、かゆみや炎症を抑える効果があります。
基本的には病院の受診が絶対ですが、休診日などの場合の応急処置として試してみてくださいね。
市販の塗り薬は効く?
ベトネベート軟膏
炎症によって起こる腫れやかゆみ・痛みなどを抑える薬で、皮膚科などで処方されるリンデロン軟膏と同じく抗生物質が配合されています。
単なるかゆみ止めではなく、マダニの細菌や有毒成分にも効果的です。
防虫スプレー
刺される前の予防策としてはマダニには効果の高い、ディート(DEET)成分が配合された防虫スプレーがおすすめです。
2~3時間おきに、こまめにスプレーするのがポイントですよ。
まとめ
草木の少ない都会や住宅地では、あまり関係ないと思いがちなマダニですが、愛犬の散歩コースや近所の公園など、身近なところにマダニはひそんでいます。
家庭菜園などを楽しむ人など「毎年マダニに刺されている」なんて声もよく聞かれます。
キチンとした対処法を守って、大切な家族やペットと夏を楽しんでくださいね。
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