今年の花火大会は浴衣デビュー!という方も、温泉旅行で部屋に備え付けの浴衣を着る!という方も、ちょっと待って!
和服の合わせは左前右前どちらだっけ…、そもそも上に来る方が左?右?と迷われたことはありませんか?
今回は、ぜひ覚えておいていただきたい、絶対に間違ってはいけない浴衣の着方についてお話します。
出典http://illpop.com/png_season/july02_a01.htm
浴衣は左前右前どちらで着る?男女で違いはあるの?
浴衣に限らず、和服と呼ばれる着物や浴衣はすべて「右前」で着る、ということは覚えておきたいものです。
洋服の場合は合わせが男女で違います。男性物は右前、女性物は左前が多いですよね。
でも、着物や浴衣はどちらも「右前」で着ます。男女の区別はありません。
ん?どっち?と迷った時には「右手が懐にすっと入る向き」と覚えておくとよいでしょう。
「右前」とはどういう意味か
では、そもそも「右前」とはどういう意味なのでしょうか?
浴衣や着物を着る際の「右前」「左前」の「前」とは、自分から見て「手前」のことです。
つまり、自分の肌に密着させる方が「前」になりますから、「右前」とは、自分の右側の見ごろが下側(つまり肌側)になる、ということです。
また、一説によると「時間的に前」という意味もあるのだとか。先に右側を下に入れるので、時間的に右が前で「右前」という説もあります。
左側の襟が上になる着方なので「左前」と勘違いされている方も多くいらっしゃるようですが、あくまでも「自分から見て前」ですのでお間違いなく。
左前はなぜいけないのか
浴衣や着物が右前でなければならないのはなぜか、気になりませんか?
先ほど「右手が懐にすっと入る向き」というお話をしましたが、これは特に右利きの方が多いから、というわけではありません。
左利きの方の場合は「左前」で着て良いのか、といえばそうではないのです。
では、なぜ「右前」でなければならないのでしょうか。
左前がいけない理由
実は、右前の反対、つまり左前は別名「死人前」とも呼ばれ、亡くなった方の死に装束の着せ方になります。
一説には、生前の右前とは違う着せ方をすることによって、「別の世界に行った」ということを教えるためだとも言われています。
いずれにせよ、着物や浴衣を左前できることはとても縁起が悪いということはよく覚えておきましょう。
右前の歴史
余談ですが、右前に着る、という着方は719年に当時の元正天皇が「衣服令」を定めたときに決められたそうですよ。
つまり、それ以来、和服はすべて右前に着られている、ということになります。
洋服のあわせが男女で違う理由
ちなみに洋服のあわせが男女で違う理由もお話ししましょう。
ヨーロッパの貴族社会において、男性は自分で服を着、女性は召使いが服を着せる習慣がありました。
そのため、右利きの男性が着やすいように男性用は右にボタン、女性用は右利きの召使いのために左ボタンだったという説もあります。
たかが服の合わせですが、和服も洋服も歴史があってとても興味深いですよね。
まとめ
知っているようで、意外に知らない和服の着方の参考になりましたでしょうか。
花火大会やお祭りなど、浴衣を着て外出する機会が多くなる季節も近づいてきました。
「あ、恥ずかしい!」なんて陰でコソコソ言われることのないよう、右前をしっかり身につけておきましょうね。
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