長かった冬もようやく終わりをつげ、桜の開花とともに4月から新生活が始まります。
これからスタートするという希望と、新しいことがはじまる未知への不安に、複雑な心境になっている人もおおいでしょう。
指示待ちで動くのが基本のアルバイトの仕事のやりかたとはちがい、社会人1年生なら、責任を持って『自分から動く』が求められます。
いままで日常で必要性を感じることがなかったビジネスマンなら知っておきたい大人のマナーも存在します。
今日はそんな知っておきたい社会のルールから“取引先へのお中元マナー”にスポットをあててお話ししましょう。
出典:http://magazineworld.jp/anan/food-news/food-1932/
取引先からお中元をもらったら本来お返しは必要?
贈り物には気持ちが詰まっています。あなたは友達からプレゼントをもらったらどうしますか?
仲良くしている友達や好意を持っている異性であればなおさら、お返しという形で嬉しい気持ちを伝えたくなるでしょう。
取引先とはお得意様の事を意味し、仕事上でのつながりがあり、会社にとって大切な友達のような存在です。
しかしながら利害関係がある会社の場合、友人に対する個人間でのプレゼントのやりとりとは、受け取り方も少し違ってきます。
お世話になった人にお中元という贈り物を送って見返りを期待するのは失礼なように、逆にもらう立場になった場合でも、基本的にお返しは相手の意に反するので不要と考えてよいでしょう。
大事なのは明るいコミュニケーションです。
受け取りましたという報告も兼ねて感謝の気持ちを礼状という形で伝えましょう。
お中元が届いたときの対処の仕方
会社の自分(個人名)宛てに届いた場合
あなた個人の名前でおくられてきた場合でも、相手先は会社の名前を背負ったあなたを指名しています。
まずは直属の上司に報告をし、わけやすく個別包装されているお菓子などであれば、同僚など部署内におすそわけしましょう。
会社宛てに届いた場合
上司に報告をしてから中身を確認します。
送り主のセンスや相手に対する感謝の気持ちを礼状にしたためましょう。
自宅に届いた場合
お礼状は必要ですが、上司への報告は不要です。
恐縮してしまうような高価な品物や金銭に換金できるような商品券の場合は例外として上司に報告しましょう。
贈り物として個人では判断できない品物は会社としての対応が必要になることがあります。
取引先へのお礼状の書き方
お中元が届いたら、相手にお礼状を送るのが礼儀です。
目安はお中元を受け取ってから3日以内です。
最近では、電話やメールでお礼を伝える方も多いようですが、正式なマナーに従って手紙やハガキでお礼を伝えましょう。
手書きの文字のほうが心がこもっていて、相手にとっても嬉しい事ですよね。
お礼状の構成
一般的なお礼状の構成は下記の通りです。
2. 時候の挨拶
3. 感謝の気持ち
4. 心遣いの言葉
5.発展を祈る言葉
6.結語(敬具)
時候の挨拶
時候の挨拶、暑中からくる季節の疲れなど相手を思いやり気遣う言葉を書き添えます。
お中元を贈る時期にもよりますが、「梅雨の候」「盛夏の候」「残暑の候」などがあります。
感謝の気持ち
お礼、感謝の気持ちを伝えましょう。
自分だけでなく、同僚、または家族など周りも喜んでいる様子を伝えるとなお良いですね。
また、『美味しかった』や『嬉しかった』だけでなく、「好物である」などあなたの感情を文面にもりこむとより印象が良くなります。
心遣いの言葉
相手の健康を気遣う言葉や、今後とも仕事上、良好なお付き合いを続けたい意思を伝えましょう。
発展を祈る言葉
相手の会社の発展を祈る言葉をつづりましょう。
「貴社の益々のご健勝とご繁栄をお祈り申し上げます。」が一般的な言葉ですね。
その他のポイント
目から楽しめる夏らしいオリジナル切手や先方のふるさとの切手など、サプライズを加えると印象に残りやすいでしょう。
取引先へのお礼状の文例例文
それでは先ほどのポイントをふまえ会社宛にお菓子をいただいたという設定での例文をご紹介します。
例文を参考にしながら、内容を具体的に、いただいたときのあなたの気持ちを素直につたえてみてください。
拝啓
盛夏の候、ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。
さてこの度はお心のこもったお中元のお品をいただきまして誠にありがとうございます。
ご厚志深謝申し上げます。
早速送っていただきましたお菓子を一同で有難くちょうだい致しました。私自身甘いものに目がないので口どけの良いこの甘さに魅了されております。
これからもご信頼に誠心誠意努力を惜しまず邁進していく所存でございます。
貴社のますますのご発展をお祈り申し上げ、また今後一層のご支援を承りますようよろしくお願い致します。
甚だ略儀ながら、書中をもちましてお礼申し上げます。
敬具
取引先にお返しする場合の相場
基本的にお中元をいただいた際には、お礼状を書くことで終わらせるのがマナーです。
でもどうしても感謝の気持ちをかたちにしてお伝えしたいという場合には、いただいた品物の半額を目安にしてお返しにするとよいでしょう。
自分の好みの押し付けではなく、相手の立場にたってお返しをえらびます。
複数の人がはたらく部署へのお返しなら、人数に足りるだけの量があるか、また土日が休みの職場へ、金曜日に生菓子が届くことなどないような気配りが必要です。
日頃、自分がもらって嬉しかったもの、美味しかったものをファイリングしておくと良いですね。
最後に
社会にでるということは会社という組織の中で責任を持って自分の役割分 担を果たすということです。
フットワークかるく個人プレーをしていた学生時代とは異なり、相手をリスペクトする配慮や感謝する気持ちがよりいっそう大切になってきます。
大人としてのマナーをひとつずつ身につけ、あなたもそしてあなたのまわりにも心地よい人間関係を築いていきましょう。
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