夏になるとハチによる被害をよく耳にします。
これはスズメバチやアシナガバチがこの時期に巣作りの最盛期を迎え、活動が活発になるから。
しかしミツバチは季節によって攻撃性が弱まることがなく、多数で襲ってきます。
毒の強さも、実はセイヨウミツバチが一番殺傷力を持っています。
刺されると針を皮膚に残していき、抜けにくいのもやっかいなところ。
刺されたらどう対処すればいいか、まとめてみました。
ミツバチはどんなところにいる?
ミツバチは密閉空間を好みます。
巣は外壁を作らず、無数の巣穴(巣板)でスペースを埋めていくように作られます。
野生のミツバチはほとんどがニホンミツバチで、たいていは木のうろや石積みの隙間などに巣を作ります。
しかし最近は環境の変化で民家の天井裏、壁の隙間、床下、戸袋の中などに入りこむことがあります。
これらの周辺でハチを見かけたら、近くの隙間に巣ができているかもしれません。
ミツバチに刺されたらどんな症状が出るか
これまでに刺された頻度や体質によって、症状には個人差があります。
刺された時の皮膚に入った毒による刺激と、毒成分に対するアレルギーが症状の原因になります。
ハチに刺されると瞬間にチクッとした痛みがあり、赤くなってきます。
ほとんどの場合腫れと痛みは数時間から1日でひくので、その場合あまり心配はありません。
その後かゆみを伴うしこりが数日間残ります。
気をつけたいのがアレルギー症状によるアナフィラキシーショック。
全身にかゆみやじんましんが出たり、息苦しさ、発熱、血圧低下などが起こります。
ひどいと死に至る危険があるので、気分が悪いと感じたらすぐ病院に行きましょう。
刺された時の対処方・応急処置
すぐに刺された場所から離れる
被害が広がらないように、安全を確保します。とくにミツバチは集団で襲ってきます。
その場にとどまっているとほかのハチも集まってくるので、刺された場所からできるだけ遠くに逃げて下さい。
この時急いで走ったり騒いだりすると、かえってハチを刺激してしまいます。
落ち着いてゆっくり退避しましょう。
皮膚に残った針を抜く
ミツバチは刺した時、針を患部に残していきます。
毒液の入った袋の部分も針と一緒に残っているので、針を抜こうと指でつまむと袋を圧迫して毒が患部にさらに入り込んでしまいます。
毛抜きやピンセットを使うのがベストですが、ない場合は硬いカードのようなもので横に払うように取り除きましょう。
毒を洗い流す
患部に毒が残っていると痛みがひどくなりますので、流水で傷口から毒を洗い流しましょう。
傷口の周りをつまんで血と一緒に毒を絞り出すように洗うのがポイントです。
口をつけて吸い出すのはおすすめしません。
毒を口の中に入れると、歯ぐきや口の中の傷から毒が入り込む可能性があります。
患部を冷やす
冷やすと毒の吸収が遅くなり、痛みやかゆみがおさまります。
保冷剤などを当ててとにかく冷やしましょう。
ミツバチは痛みがひいた後かゆみが長びくことがありますが、その場合も冷やすと楽になります。
「尿をかける」はNG
昔は医者の間でも「アンモニアがハチ刺されにいい」と思われていたそうですが、現在は研究が進み、全く効果がないと分かっています。
尿は体外に出ると雑菌も増えるので、逆に化膿の原因になることもあります。
市販の塗り薬はどんな薬を選ぶと良い?
腫れやかゆみ、軽い痛みは市販薬でも効果があります。
ステロイドや抗ヒスタミンの成分が入った薬を塗ると、かゆみや炎症が抑えられます。
これらの成分は多くの虫刺され軟膏に含まれていますが、どれを選んだらいいか迷ったら薬剤師にハチに刺されたことを伝えて選んでもらいましょう。
民間療法のアロエは効果あり
アロエには消炎作用や殺菌作用があり、かゆみや痛みを軽くしてくれます。
またアロエが持つアロエチンという成分は毒素を中和する働きもあります。
家にアロエが生えていたら、応急処置として使うのもいいですね。
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