キャリアアップ、人事異動による転勤、定年退職など、人生の節目ともなる退職。
送別会などでは長めのスピーチをすることがありますが、退職する当日にも簡単な挨拶をすることがありますね。
退職の挨拶は決まり文句も多く、朝礼という場面から、その場で考えて済ませようと考えがちです。しかし、最後の挨拶であなたの評価・印象が決定します。
そこで今回は、退職の挨拶を朝礼で行う際のポイント・文例(転職・転勤・定年退職)を紹介します。
退職の挨拶の心構え・注意点
大勢の人数の前でのスピーチはとても緊張するものですが、今まで務めてきた職場での最後の大仕事。しっかりと勤め上げ、有終の美を飾りましょう。
心構え
当日はハッキリとした口調でゆっくりスピーチすることを心掛けましょう。
また、退職といっても転職・転勤・定年退職だけではなく、病気やリストラ、左遷など、退職理由は様々。
退職を転機とし、新たな一歩を踏み出すという意味でも、明るくしっかりと退職の挨拶をすることが大切です。
途中で涙をこぼしてしまうことは無い様に。
思い入れの強い職場などではスピーチをしながら感情が溢れがちですが、朝礼はこれから業務開始という場面ですので、朝からしんみりした気持ちになってしまうと職場の空気も重くなってしまいますね。
業務に支障が出てしまうことを防ぐためにも、感情はこらえて明るく堂々とスピーチをしましょう。
注意点
暗い気持ちになるネガティブな内容や会社への批判・不満は避け、前向きな内容・今までの感謝の気持ちを言葉にしましょう。
例えば、下記のような発言はどう感じるでしょうか?
「今までは毎日残業ばかりで家族と過ごす時間がありませんでした。これからは残業がない部署に異動となるので、家族サービスを心掛けたいと思います。自由な時間も増えますので、異動後も食事やお酒の席にぜひ誘ってください。」
「今までそんなに辛かったんだ?異動がそんなに嬉しいんだ…」
「私たちはあなたが嫌だったこの部署でこれからも働くんだけど…」
と、門出を祝福する気持ちも失せてしまい、雰囲気も悪くなってしまいますよね。
最後はガツンと言ってやりたい、誰しもが同じように感じている不満だから、と考えているとしても絶対に口にしてはいけません。
せっかくの退職の挨拶が台無しになり、あなたの今までの頑張りや会社での評価も無意味なものになります。
残される人たちの気持ちも考慮してスピーチするように心掛けてください。
また、退職時には挨拶もかねてお菓子を配りますよね。
そのお菓子はいつ配るのがベストなのでしょうか?
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退職のお菓子はいつ配る?についてはこちら
退職の挨拶の基本構成と盛り込みたいポイント
朝礼でのスピーチは、送別会などと違い時間も限られていますので、事前に内容を考えてまとめておきましょう。
基本的には退職理由、感謝の気持ち、今後の仲間の発展を祈る旨を述べて結びます。
(1)退職の理由
結婚、出産、定年退職の場合は、そのまま理由を述べても構いませんが、話を聞く側からすると自慢話や嫌味に聞こえたりすることもあります。
例えば、下記のような発言はどう感じるでしょうか?
「この度、結婚をすることになりましたので、退職を決めました。寿退社が夢でしたのでとても嬉しいです。同時におめでたも分かり、これからは良き妻、良き母として頑張ります。」
長年子供を望みながら仕事を頑張っている女性や、今後もキャリアを積んでいきたいと考えている女性にとって、印象が良いものでないことはお分かりでしょう。
価値観は多様化し、女性の生き方やワークライフバランスに対する意識も様々ですので、自分の本音は心の中に留めておきましょう。
転職の場合は、あくまでも「自己都合」であること、転職先などの詳しい内容を話すのは避け、相手の立場にも配慮をして基本的には「一身上の都合」とするのがスマートです。
(2)感謝・ねぎらいの言葉
退職の挨拶では一緒に働いてきた仲間や上司への感謝の気持ちを述べます。
人間関係などで退職する場合でも、不満や怒りの感情は抑えて感謝の言葉を伝える必要があります。
相手のためでは無く、自分自身をこれ以上不快な気持ちにさせないために不満や怒りは手放し、次のステージでの糧としましょう。
印象に残った仕事などのエピソードを話す場合は、長々と話さず簡潔に述べましょう。
(3)今後の抱負
自身の退職後の展望や意気込みについて述べ、会社の発展や仲間の活躍を願う言葉を添えて締めくくります。
引き抜きや同業者への転職などでは、今後のキャリアにも影響する場合もありますので具体的な計画があったとしても内容は伏せ、主に今までお世話になった会社が発展していくことを願う趣旨のものにしましょう。
スピーチの時間は?
朝礼での退職の挨拶は1分~2分で簡潔にまとめましょう。
朝礼後は、各自商談や会議などのスケジュールが詰まっている人もいますので、ダラダラと話すのではなく手短に話す必要があります。
転職・転勤・定年退職の文例
転職の挨拶文例
おはようございます。ただいま、ご説明頂きましたとおり、この度一身上の都合により本日付で退職することになりました。
以来、上司・先輩方の指導のもと沢山の経験を積むことができ、同僚の皆様に助けられながら、日々成長できたこと、深く感謝しています。
皆様から学んだこと、会社での貴重な経験を生かして頑張っていきたいと思います。
新しい道に進みますが、皆様のご活躍を陰ながら祈っています。今後も変わらぬお付き合いを宜しくお願いいたします。
本当に有難うございました。
転勤の挨拶文例
皆様ご存じのとおり、本日付で○○部(支社)へ転勤することになりました。
やりがいある仕事、あたたかい上司、切磋琢磨し合える仲間と出会い、多くのことを学ばせて頂きました。
○○部(支社)では、こちらでの経験も生かし、皆様の期待を裏切らない様、全力で会社へ貢献したいと思います。
尚、今後の業務につきましては○○さんに引き継いでいますので、宜しくお願いします。
最後になりますが、お世話になりました皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。
有難うございました。
定年退職の挨拶文例
私事で恐縮ですが、本日、定年の日を迎えることとなりました。
入社からの○○年間、長かった様で本当にあっという間でした。
入社したての頃は失敗の連続で、沢山の方に迷惑をかけ、多くのことを学び、経験しながらここまでやってくることができました。
教わる立場から、いつの間にか指導する立場へと成長させてもらい、上司にも部下にも恵まれ、皆様のサポートがあったからこそ今の私がいます。
明日からは、また新しい人生がスタートし、名残惜しい気もしますが楽しんでいこうと思っています。
今後の皆様の活躍と会社の発展を陰ながら祈り、私からの挨拶とさせていただきます。今まで本当に有難うございました。
最後に
退職の挨拶の文例はいかがでしたか?退職は人生の中でも大きな出来事であり、たくさんの想いや決意があることでしょう。
転職・転勤・定年退職だけではなく、リストラ・左遷といった暗い理由で退職の場合もあります。
ですが、自分が主役となる退職の挨拶で、特に大切なことは共に働いてきた人たちへの配慮です。「さすが」と思われるスピーチをし、更なるステップアップに突き進んで下さい。
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