記念日にもらった花束や花屋の店先にならぶ季節の花には人の気持ちをやわらげたり、はなやかな気分にさせたりするマジックがひそんでいます。
七夕飾りは笹にかざるそんな花のような存在と言えるのではないでしょうか?
この時期、街角や民家ののきしたには色とりどりの花のような七夕飾りや短冊が、行き交う人の心をふんわり和ませます。
今日はそんな七夕飾りの由来や意味についてお話ししましょう。
なぜ七夕に笹飾りをするのか?
七夕の時期、街角で何気なく目にすることもおおい七夕飾り。
日本で毎年お目見えするようになったのは遠い昔の江戸時代、当初は紙ではなく糸を飾っていました。
その糸の色は『赤、白、黄色、青、黒』の5色からなりたち、中国の陰陽道という自然をあらわす色にちなんだものからきています。
織姫のように針仕事が上手になりますように…と裁縫の上達をねがって織姫の仕事道具のひとつともいえる糸を飾るのが当初のならわしだったのです。
上流社会ではその糸が絹素材の布となり、時には笹をあおぎながら演奏をするなどのイベントまでひらかれていました。
そのならわしが一般庶民に浸透するころには、絹のような高価な品は用意ができないため、紙の短冊やお飾りを使って七夕を祝うようになったと言われています。
七夕飾りのそれぞれの意味
七夕が行事として広まりはじめた当初は5色の糸を飾っていましたが、その他にも書道で歌などをしたためていたものも一緒に笹に吊るしていました。
毎年の行事としてみんなが楽しむようになった現代では短冊以外に色とりどりの折り紙や切り絵のような目にもたのしい装飾を笹の枝にかざるようになりましたね。
それらの七夕飾りにはお正月にいただくおせちのようにひとつひとつ意味があります。
由来や意味を知ることで、今年は何を折ろうかな?と七夕飾りをつくるのも楽しくなります。
毎年見かけるおなじみの飾りにはそれぞれ以下のような意味がふくまれています。
家族全員、健康で長生きしますように
おりひめにあやかって裁縫の上達や手先が器用になるりますように
お財布をかたどった巾着は無駄なお金が流れていかないよう金運向上を願っています。
物を粗末にしないよう、整理整頓を心がけ美的収納ができますように
糸のようにも見える形にちなんでお裁縫が上手くなりますように
魚の網のようにも見えるそのお飾りは豊作や豊漁の願いが込められています。
輪つなぎ・三角つなぎ・四角つなぎそれぞれの意味
誕生日パーティなどでお部屋を一気にパーティモードにかえてくれるそのはなやかな輪つなぎは七夕飾としてもおなじみですね。
簡単に手作りできるわりにはインパクトが大きく、お誕生日会や卒園会などの催し物には欠かすことができない大活躍のデコレーションともいえるでしょう。
輪つなぎの意味
ひとつひとつ輪をつなぎあわせていくその形状どおり、輪つなぎには心にいだいた夢が消えてなくならないように、つながっていくという意味があります。
三角つなぎや四角つなぎの意味
輪つなぎのほかにもつなげていく飾りとして、三角つなぎや四角つなぎがあります。
昔は三角や四角の布を使って飾っていたことから、七夕の織姫様をめざして、お裁縫がうまくなりますようにという願いが込められていると言われています。
意外と知られていないそれぞれの意味を知ることでただなんとなく手を動かしていたことから、願いを込めて作るようになりますね。
あなたの心のキラメキがそれぞれのお飾りに生まれかがやいてくれることでしょう。
夜空にきらめくふたつの星は夏の夜空のどこにあるのか
七夕は満点の星空をあおぐことがなかなかむずかしい梅雨の終わりの時期にかさなっています。
そのため残念なことに毎年雨が降ってしまうケースがおおいのが現状です。
でも晴れていたら、夜空をみあげて七夕のメインキャストともいえるこのふたつの星を探してみましょう。
天の川の西側に織姫、そして東側に彦星とそれぞれ会えるのを待つかのようにたたずんでいるのが、夏の夜空にみてとれます。
織姫
織姫星は夏の夜空でもひときわかがやきがあり、明るくみつけやすい星です。
夜空をぐるっと見回して、四辺形の星を見つけることができれば、そのそばでひときわ明るくかがやいている星が琴座のベガとよばれる織姫です。
彦星
織姫を見つけたら、キラキラきらめくほしくずのような天の川の反対側にわし座のアルタイルとよばれる彦星を見つけることができるでしょう。
最後に
夜空の星をみあげることで、ほっと一息できるくつろぎや、明日から頑張ろうという気持ちをもらうことがあります。
七夕にはその目に見えないエネルギーに願いをのせることで、時にはくじけそうになる気持ちを前向きでポジティブなものへとシフトチェンジしてくれるのかもしれませんね。
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