「手に汗をかく」という慣用句があるように、緊張したりすると手が汗でべったりになった経験はありませんか。
少しぐらいならそれほど問題になりませんが、あまりに量が増えてくると、持っている書類がヨレヨレになったり服にシミができてしまってこまったことになってしまいますよね。
今回は、手汗について、正しい知識と対処法について考えてみましょう。
手汗をかく原因
まず、なぜ手汗をかくのかについて知る必要があります。手汗をかく原因には、主に以下のものがあげられます。
・緊張
・不安
・病気・疾患
ストレス
ストレスがたまると、手汗が出やすくなることがあります。
環境の変化や人間関係など、慢性的にストレスを受けることによって交感神経が過敏になり、手汗をかきやすくなるのです。
この場合は、ストレスを解消したり上手に付き合っていく対処法を考えることで、手汗を抑えることができるでしょう。
緊張
一番わかりやすい原因ではないでしょうか。
発表会やプレゼンテーションなど、人前に立つときに緊張して手汗をかいたということは、多くの人が経験していることでしょう。
緊張をほぐすためには、一度席をはずしたり飲み物を飲んで一息つくなど、リラックスする時間を持つと手汗もおさまるでしょう。
不安
手汗をかいてしまうのではないか、あるいは手汗をかいてしまっていてもっとひどくなってしまうのではないか、という不安から、手汗をかくという悪循環に陥ってしまう場合もあります。
心配することはありません。あるツボを押してみましょう。ツボについてはのちほど説明します。
病気・疾患
自律神経失調症などの神経障害が起きると、発汗のコントロールがうまくできなくなります。
また、ホルモンのバランスが崩れることで、手汗をかくこともあります。これらの場合は、手汗だけの問題ではなく根本的な治療が必要となります。
手汗を止める・抑える方法
手汗を根本から抑えるには原因により改善方法が異なります。一般的な改善方法として主に以下のものがあげられます。
・食事療法や漢方による体質改善
・ツボ押し
ミョウバン・塩化アルミニウムを塗る
ミョウバン・塩化アルミニウムを水に溶かし、その水溶液を掌に塗る方法です。一時的な方法ですので根本からの解決とは言えません。
なぜ効果があるのかは下記の通りです。
ミョウバン
ミョウバンには肌の毛穴を引き締める「収斂(しゅうれん)作用」があり、発汗しにくくさせる。
塩化アルミニウム
塩化アルミニウムの結晶が汗の出口(汗腺)を塞ぎ、発汗しにくくさせる。
食事療法や漢方による体質改善
辛いものや熱いもの、また脂っこい食事は、手汗に限らず全身の発汗をよくします。
また、コーヒーやお茶に含まれるカフェインも発汗作用があると言われていますので、手汗をかきたくない状況のときには、直前の飲食に気をつけましょう。
発汗を抑える食事として、イソフラボンを多く含む納豆や豆乳などの大豆製品が効果的です。毎日摂取することがポイントです。
漢方薬では桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)や柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)が効果的です。
ツボ押し
事前の準備や道具も必要なく手軽にできるのがツボ押しです。次の章では、ツボの位置を詳しく紹介します。
手汗を止める・抑えるツボ
手汗を止める・抑える方法のひとつとして、ツボを押しが有効とされています。その代表的なツボをご紹介します。
合谷(ごうこく)
人差し指と親指の付け根にある骨の間の、少し人差し指に寄ったところにあり、ここを親指でゆっくり押します。
痛みをやわらげたり、視力を回復したり、と万能のツボとしても知られています。
身体の代謝異常を回復させる働きがあるといわれ、多汗症だけでなく無汗症にも効くといわれています。
復溜(ふくりゅう)
水分の代謝異常を回復させるツボで、冷え症などにも効果があるといわれています。
内くるぶしの後ろのくぼみから、指3本分ほど上のところを手の親指でもむようにマッサージしてみましょう。
労宮(ろうきゅう)
気持ちを落ち着かせ、リラックスする効果があるといわれるツボです。緊張や不安が原因の場合に、親指で押すとよいですね。
場所は、てのひらの中心。5秒ほど押して5秒ほど離す、をくり返してみてください。
塩化アルミニウムは薬局で手に入るのか
手汗を止める・抑える方法のひとつに、塩化アルミニウム薬剤を手に塗る方法があります。
薬局などで塩化アルミニウムを購入し、エタノール、精製水と混ぜて自家製の塩化アルミニウム水溶液を作ることも可能です。
また、市販の制汗剤も塩化アルミニウムを使用しているものがあります。塩化アルミニウムを含む主な製品は以下の通りです。
・テノール液
・エキシウクリーム
塩化アルミニウムのメリット・デメリット
実際に発汗を抑える効果が高い塩化アルミニウムですが、アルミニウムは人体に有害な物質であるということを忘れてはいけません。
使用量が多いと、アルミニウム脳症といわれる痴呆症の一種のような症状があらわれることがあります。
しかし、これは脳に蓄積した場合であり、制汗剤のような外用の場合の影響については、はっきりしたことはまだわかっていません。
皮膚に塗ることに抵抗がある場合は、無理に使用しない方がよいでしょう。
まとめ
発汗の量は人それぞれ。同様に、それにともなう悩みの大きさも人それぞれです。
ツボを押したり、制汗剤を使用したりして対処することももちろん大切ですが、ストレスや緊張など、手汗をかく原因を根本的に治すことが一番の解決法です。
あまり神経質にならず、毎日の生活を楽しむ余裕を持つようにしたいですね。
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